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中川 洋; 城地 保昌*; 北尾 彰朗*; 柴田 薫; 徳久 淳師*; 郷 信広; 片岡 幹雄
no journal, ,
タンパク質のダイナミクスはその水和環境と強くカップルしている。タンパク質の動力学転移とボソンピークの水和との関係をスタフィロコッカルヌクレアーゼを用いて調べた。230K付近の動力学転移は水和タンパク質のみで観測される。タンパク質を動力学転移温度以下に下げると非調和的な運動が失われ、タンパク質の機能発現が抑制されることが示されている。動力学転移の水和量依存性を調べた。動力学転移は26%程度の高い水和量で観測された。過去の研究では約20%の水和量がタンパク質の機能に必要であるという報告がある。これは動力学転移がタンパク質の機能に重要であることを示している。一方、150K以下では低い水和量でもタンパク質の調和振動状態に影響を与えた。低温ではボソンピークが観測された。ボソンピークは合成高分子,ガラス,アモルファス物質などに共通して見られるが、その起源は十分には理解されていない。ピークに寄与する運動は調和振動である。水和するとピークの周波数は高振動にシフトし、低温での振動の力学定数は増加する。このことはタンパク質のエネルギー地形が変化したことを示す。タンパク質の水和はより凸凹したポテンシャル表面を作り出し、低温では振動運動はローカルミニマムにトラップされる。ボソンピークの起源はこの凸凹したエネルギー表面と関係があり、タンパク質の低振動モードの分布状態と関係している。
八木 大地*; 江幡 年宣*; 市毛 寿一*; 小林 陽一郎*; 石川 卓哉*; 山下 雅弘*; 大西 裕季*; 田中 伊知朗*; 栗原 和男; 新村 信雄*
no journal, ,
中性子回折法は水素原子位置を同定する有力な手段であり、中性子構造解析によってタンパク質や核酸における水素原子位置を含んだ水和構造を明らかにすることができる。既にわれわれはミオグロビンやルブレドキン, B型, Z型DNAなどの水和構造の決定に成功してきている。そこで明らかになった水和水の核密度ピークの形は4種類に分類にすることができ、われわれはこれを水和水の秩序性又は動的振る舞いから説明可能と考えている。水和水は双極子モーメントを持ちタンパク質周囲の電場に影響を与えていると考えられる。さらには、DNA周囲の水和水ネットワークはタンパク質による認識機構にかかわっていると考えられる。よって、水素を含んだ水和構造の決定はこれらのメカニズム解明に大いに貢献し得る。そこで、これまでの中性子構造解析の結果を"Hydrogen and Hydration DataBase for Bio-macromolecules"にデータベース化している。現在、さらに正方晶インスリン、リボヌクレアーゼA, ラクトグロブリン, アミラーゼ, 2Znインスリンの中性子構造解析を目指している。既にこれらの大型結晶化に成功し、試験的な中性子回折実験を行った。一部は本格的測定を完了し、構造解析が進行中である。